こんにちは。
Dream Artの似顔絵師の佐伯祐一です。
私は、絵という文化を、もっとたくさんの人に身近に感じてほしいと思い、この仕事をはじめました。
とは言ってもそれは、美術館に足を運んだり、絵を購入したりということだけを指しているわけではありません。
もっともっと「絵を描く」ということにも触れてほしいんです。
よく「絵が下手だから…」とか「センスないから…」とかっていう言葉を耳にしますが、私が思うに日本人の8
割がそんな方々です。
小学生のころを思い出してみてください。
絵が得意な子って、せいぜいクラスに2~3人でしたよね。
それに比べて、同じ芸術としてとらえられている音楽はどうでしょうか?
歌が上手だねって褒められる子が、どれくらいいましたか?
正直、絵と同じようなものだと思います。
でも、大人になってもみんな、カラオケに行ったり、普段、口ずさんだりしますよね。
圧倒的に、絵より身近な芸術となっているんです。
だから私は、直接お話ししながら絵を描かせていただいた方に、こんな提案をします。
ぜひ、家族や友人と、お顔を描きあってみてください。
これが意外に盛り上がります。
上手い下手とか関係なく、相手に自分がどう見られているか?とか、人をどうやってとらえているか?とか、色んなものが見えてきます。
私は、それが「芸術」の楽しみ方だと思っています。
だから、アメトークの「絵心ない芸人」は、あんなに楽しいんです。
描いた絵を加工して、Tシャツにしたりグッズをつくったりしていますよね。
その絵と、著名な作家の描いた抽象画(イメージで描く絵画)の差がわかりますか?
正直、絵を生業にしている私にもわかりません。
本来、芸術とは人を楽しませたり、感動させたりするものです。
そこに絵の技術なんて全く関係ありません。
身近な人が自分や自分に関連するものを描いてくれれば、絶対にうれしいはずです。
不特定多数の方に伝わる絵を描くためには、技術も必要になってくるかもしれませんが、目の前の人を楽しませたり感動させるのは、「人」のほうが大切だったりするんです。
音楽と一緒ですよね。
だからぜひ、目の前の人の似顔絵を描いてみてください。
そして、その絵を描く前に、1つだけお願いがあります。
どうぞ真剣に描いてみてください。
私は下手だから、とか、センスないから、と言わず、上手に描こうとしてみてください。
おススメの作画時間は、白黒なら10分、カラーなら20~30分。
これ以上時間をかけると、逆に飽きてしまいますしね。
そして、その絵を見合わせて、お互い評論してみてください。
「私、こんなに目離れてる?」「おれ、なんでズボンはいてないん?」とか。
きっと、楽しんでいただけるはずです。